路上駐車取り締まりで駐車監視員がスルーする場所
同じような「路上駐車(路駐)」でも駐禁ステッカーは、貼られたり貼られなかったり。駐車監視員はきちんとマニュアル通りに路上駐車の取り締まりを行っているのでしょうか? その謎を解くため、駐車監視員の仕事に勝手に密着。そこから見えてきた、路上駐車取り締まりで駐車監視員がスルーする場所の傾向を紹介します。

路上駐車取り締まりで放置車両確認巡回中
某日10時、関東某所にて出動前の駐車監視員の軽自動車を発見しました。両サイドとリアに「放置車両確認巡回中」のマグネットシートを貼り出動。さあ、路上駐車の取り締まりに同行します。
とはいえ、交通量の多い地区で車両での路上駐車の取り締まり同行は困難。そこで路上駐車の取り締まりガイドラインを参考に、彼らが巡回するであろう場所に網を張りました。どうやら2班で路上駐車の取り締まりを行っているようなので遭遇する可能性は高いはずです。
11時半に放置車両確認巡回車が駅ロータリーに到着。ごちゃごちゃとした商店街を抜ける一方通行路は、ドライバー不在で路上駐車しているクルマも多い場所。ところが、駐車監視員の放置車両確認巡回車は路上駐車の取り締まりを行わずに通り過ぎていきます。
路上駐車取り締まりでスルーした車両
小型店舗だと駐車監視員の行動が店内から見えるため、路上駐車の取り締まりでステッカーを貼ろうとしても逃げられてしまうのだとか。しかし、TSUTAYAなど大型店舗だと、店外の様子が見えないためドライバーも路上駐車の取り締まりを察知できないので貼られやすいといいます。
ほかにも、明らかに違法な路上駐車でありながら取り締まりせずスルーするケースも多々ありました。商店街の力が強くて路上駐車の取り締まりをしないように警察に働きかけている地域や、暴力団関係者が経営する風俗店の前など、交通の妨げになりそう所でも駐車監視員の放置車両確認巡回車は横を通り過ぎていきます…。
交差点脇に路上駐車している車両の横を、取り締まりも何もせず通過するケースもありました。路上駐車を取り締まっても店からドライバーがすぐ出てくると判断したのでしょうか。確実に駐禁ステッカーが貼れそうな路上駐車の取り締まりでないと、スルーする傾向があるようです。
路上駐車取り締まりは故障でも違反
それでは、駐車監視員の路上駐車取り締まりから逃れる方法はあるのでしょうか。例えば「故障中 エンジンかからず」とフロントに張り紙をして路上駐車した場合、駐車監視員は取り締まりを見逃してくれるか考えてみます。
駐車の定義とは「車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること」です(道交法第2条第1項第18号前段)。たとえ故障であっても、禁止場所に路上駐車すれば違反なのです。
大体、普通はレッカー車が来るまで待つもの。張り紙してどこか行ってしまうなんておかしい話です。故障で止まって路上駐車して、どうしてもその場を離れなければならないなら、その旨を警察へ連絡しましょう。
路上駐車お取り締まりで監視員に説明
今はスマホがあるので、「公衆電話を探しにクルマから離れた」といういい訳も通じません。本当に故障しているなら、警察に正直に連絡するのが得策でしょう。そうすれば、場合によっては見逃してもらえる可能性もあります。
路上駐車してクルマへ戻ったら、駐車監視員がフロントガラスにちょうど違反ステッカーを貼ったところだったということもあります。駐車監視員に事情を説明して違反ステッカーを剥がしてもらうことはできるのでしょうか?
答えは、絶対ムリ。剥がせるのは、そのクルマの運転者や管理者のみ。駐車監視員には、路上駐車の取り締まりでいったん貼ったステッカーを剥がす権限がないのです。勝手に剥がしたら警察から大目玉を食らいます。
路上駐車取り締まりでありがちな誤解
路上駐車の取り締まりに関して、多くのドライバーが混同しがちなのが「駐車」と「停車」の違いです。よくある誤解が「エンジンを止めていなければ駐車ではない」から駐車違反にならないというもの。このほか「助手席に人が乗っていれば駐車ではない」というのもよくある誤解です。
駐車とは「運転者がクルマを離れて直ちに運転することができない状態」だけではありません。加えて「客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由によりクルマが継続的に停止すること」とも定義されています。一方で「5分を超えない貨物の積卸し」や「人の乗降」のための停止は駐車から除外されているのです。
すなわち、運転者がクルマを離れていなくても、5分を超えて荷物の積み下ろしをしていれば、停車ではなく駐車になるということ。それが駐車禁止の場所であれば、駐車違反となるわけです。
路上駐車が駐車違反となる場所とは?
路上駐車するときに、多くの人が気にするのが「駐車禁止」の標識でしょう。駐車禁止の標識がある道路にクルマを路上駐車すると違反になるのは当然ですが、実はそれ以外にも標識がなくても駐車禁止の場所は数多く存在しています。
「駐停車禁止」と「駐車禁止」の場所には、大きく分けて2パターンあります。ひとつは駐停車禁止・駐車禁止の標識が出ている場所です。どの道路を駐停車禁止や駐車禁止にするかは、各都道府県の公安委員会が決めています。
そして、もうひとつは道路交通法で駐停車禁止や駐車禁止がすでに決まっている場所です。実は、法律上の駐停車禁止ポイントは数多く存在しています。こうした場所に、不要に路上駐車しないためにも、しっかり覚えておきましょう。
駐停車禁止の場所は、すべて並べると「交差点・横断歩道・踏切・坂の頂上付近・勾配の急な坂またはトンネル・路面電車の線路・路面電車の停留所前後10m以内・安全地帯の左側と前後10m以内・交差点や曲がり角から5m以内・踏切の前後10m以内・横断歩道の前後5m以内」となります。
路上駐車の取り締まりは放置車両確認
こうした路上駐車すると駐車違反になる場所が意外に知られていないことに加えて、駐車監視員が路上駐車の取り締まりで何を確認しているかの具体的な内容が意外と知られていないことが、路上駐車取り締まりにおけるさまざまな誤解を生んでいます。
じつは、監視員が行っているのは駐車違反の取り締まり全般ではなく「放置車両」確認事務の業務です。貼っているステッカーも駐車違反という文字が大きく書かれていますが、正式名称は「放置車両確認標章」。「放置車両確認巡回中」というマグネットシートは、このことを意味しているわけです。
放置車両とは、違法駐車と認められるクルマで、運転者がそのクルマを離れて直ちに運転することができない状態にあること。このため、運転席や助手席に人がいる場合、駐車監視員はスルーすることがほとんどです。これが、助手席に人がいれば駐車禁止対策になるという誤解の原因と考えられます。
しかし、駐車監視員がスルーするのは、駐車違反であっても放置車両ではないから。警察官が確認すれば駐車違反としてキップを切られることになります。駐車禁止場所での駐車は迷惑行為。交通ルールはしっかり守りましょう。
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ラジオライフ編集部

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