NHK受信契約を迫る「特別あて所配達郵便」とは
NHKが受信契約をとりつけるための方法は、多数の訪問スタッフが未契約世帯をひたすら巡る「人海戦術」がとられてきました。しかし、NHKは訪問スタッフの数を減らす方針を発表。代わりに、NHKからは「特別あて所配達郵便」というサービスによりDMが発送されています。このNHKの特別あて所配達郵便とはどのような仕組みなのか見ていきましょう。

NHKの特別あて所配達郵便は氏名なしで届く
特別あて所配達郵便とは、2020年に日本郵便が導入をスタートした配達方法で、相手先の住所のみで氏名を書かなくても郵便が届くサービスです。取り扱える郵便物は、通常はがきと往復はがき、定型郵便に限られ、あらかじめ郵便局に利用の届け出を行い、年間1000通以上を郵送する必要があります。
特別あて所配達郵便は悪用を防ぐため、郵送料金は料金後納で支払う必要があるほか、郵便物1通あたり150円の追加料金がかかります。例えば、25g以下の封書であれば1通あたりの郵送料は234円となり通常の3倍近くの郵送料がかかる計算です。
とはいえ、住所だけが判明して住人の氏名がわからないあて先への郵送が必要というケースはあまり考えにくいところ。例えば何らかのダイレクトメールを発送する場合、マンションの部屋番号まで把握しないと送れないサービスは不便で、ポスティング会社へ委託する方が手軽です。
NHKが特別あて所配達郵便の最大顧客
じつは、日本郵便も指定エリア内の配達可能な住居や事業所などにすべて配達する「タウンプラス」というサービスを用意。新型コロナウイルス感染症の流行対策として配布されたマスク、いわゆる「アベノマスク」の配達にはこのタウンプラスが活用されました。
また、かつて一部の新聞・通信社が世論調査の対象世帯を選ぶ方法として、住所からランダムに選ぶという方法を採用していました。とはいえ、この方法は選ばれた住所に住人がいるかどうかを確認する必要があるため、調査員の訪問とセットでないと調査がうまく行えなかったのです。
一方、NHK受信契約については、これまで訪問スタッフが記録をとり続けた未契約世帯の住所リストが存在するものの、そこに住む人の氏名は表札に明記されているか住民本人から聞かない限りNHKも把握できません。この場合、NHKは特別あて所配達郵便を活用することで、受信契約のお願いを未契約者のみ選び送付できるのです。
NHKの特別あて所配達郵便は無視する
しかし、NHK受信契約を結ぶ世帯割合が低い都市部は、マンションの建て替えや土地の新規造成が頻繁におきるエリアでもあり、そのたびにマンションの部屋番号や住所の枝番号が変更されます。NHKが特定あて所郵便を活用し続けるためには、そうした住所変更状況をつねにアップデートする工夫が必要といえそうです。
このように、NHKから特別あて所配達郵便が届けられるケースは、受信契約を結んでいない世帯の住所に限られます。この場合、NHKは送付先の住所の存在は確認しているものの、そこに実際に住んでいる人がいるかどうかまでは把握していない可能性が高いでしょう。
そのため、NHKからの特別あて所配達郵便には受信契約を結ぶお願いや受信契約の申込書が同封されているのみで、実際にNHK受信料の請求書が届くことはまずありません。そのため、仮にNHKの特別あて所配達郵便が届いたとしてもそこに法的な意味はないため、無視して処分して問題はないのです。

ラジオライフ編集部

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