AR-MD20はコスパに優れるアイワのBCLラジオ
アイワの新生を飾った2機種のBCLラジオが、シンプルな「AR-MD20」と多機能の「AR-MDS25」です。いずれもワンチップICによるDSP(デジタル信号処理)を採用した、長波(LW)/中波(MW)/短波(SW)/FM帯が受信できるオールウェーブBCLラジオです。BCL受信の視線でAR-MD20とAR-MDS25どちらが買いなのかを見ていきましょう。
AR-MD20とAR-MDS25に外部アンテナ端子
AR-MDS25はボディが横長なだけあり、AR-MD20よりも6割ほど長いロッドアンテナを装備しています。AR-MD20よりAR-MDS25の方が、短波帯とFM帯の受信には有利です。長波帯と中波帯は内蔵されたバーアンテナで作動しますが、AR-MD20とAR-MDS25両機の受信感度にさほどの差は感じられませんでした。
AR-MD20とAR-MDS25両機の左側面には、短波帯とFM帯用の3.5mm外部アンテナ端子を備えます。ただし、AR-MD20とAR-MDS25とも感度切り替え機能が無いので、短波帯受信にWellbrook「ALA-1530」などの高利得なアクティブ型アンテナを接続すると、混変調を起こして、案の定ノックアウト状態(使用不能)となってしまいました。
AR-MD20とAR-MDS25の基本的な受信性能は同じです。AR-MD20とAR-MDS25は外部アンテナを接続すれば、初級BCL用には充分な機能を発揮しますし、音量・音質ともパーソナルなBCL用途には合格と評価できます。AR-MD20とAR-MDS25どちらを入手してもBCLを楽しめるでしょう。
AR-MD20がコスパに優れていて“買い”
しかし、AR-MDS25の実勢価格13,000円にはAR-MD20と比べてやや割高感があります。AR-MDS25だけに搭載された特殊な機能が、AR-MD20の実勢価格7,300円との差額5,700円に見合っているのかという疑問です。
FMステレオ放送をスピーカーで楽しむにはAR-MDS25は音質・音量が不足しています。そして、AR-MDS25はMP3プレーヤーやアンプとしての機能が不十分な上、そもそもBCLには必要な機能ではありません。AR-MDS25はこれらの機能を盛り込み過ぎたためか、BCLラジオとしての操作性も良好とはいえないのです。
一方のAR-MD20はBCLを始める人はもちろん、ベテランBCLの予備機に適しています。AR-MD20はコンパクトなので携帯に便利な点も見逃せません。AR-MD20は旅行や移動受信にも気軽に持ち出せるからです。AR-MD20とAR-MDS25の対決では、シンプルな機能と操作性を持ち合わせた、コスパに優れたAR-MD20を“買い”にしました。
AR-MD20がレビューで支持されている理由
このアイワのBCLラジオ「AR-MD20」がさまざまなレビューで支持されている大きな理由は、選局ダイヤル・テンキー・プリセットメモリー・簡単選局など、チューニング操作の自由度が高いことです。特に、AR-MD20の簡単選局はワンプッシュでバンド内をスキャンし、その時に聞ける周波数を一時的なメモリーに登録。AR-MD20の選局ダイヤルで自由に切り替えられます。
AR-MD20のはビギナーでも簡単に放送が聞ける上、プリセットメモリーには影響しないので安心。普段使いから海外旅行のお供まで、AR-MD20は頼れる1台なのです。
AR-MD20のディスプレイには、遠距離受信の際に役立つ電波強度(dBμ)と、信号対雑音比(S/N)を表示。AR-MD20では数字が大きい方が受信状態が良好という意味になります。
AR-MD20の選局ダイヤルのクリック感
AR-MD20の周波数はセグメント表示で大きく見やすい設計。選局ダイヤルを操作した時のもたつきがなく、ラジオとの一体感を得られます。AR-MD20は情報(時計/温度/受信状況)を切り替えられるのも便利です。
AR-MD20の選局ダイヤルは適度なクリック感。回す速度によって周波数ステップが、FASTとSLOWの2段階に切り替わります。AR-MD20は短波の場合、ゆっくり回すと1kHzステップですが、早く回すと5kHzステップになります。
AR-MD20の周波数ステップがSLOWの時は三角マークが1つ、FASTの時は2つ。AR-MD20は選局ダイヤルの現状を確認できる仕様です。AR-MD20は受信調査の際に活躍。AR-MD20は操作への追従性も高い印象です。
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ラジオライフ編集部
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